首筋の月
話してるところ悪いんですけど。
なんかすごい右肩が痛い。
「こ、これ…っ、」
霞「…え?
俺と、同じ傷…?」
尚人「なるほどな。
うますぎるとは思ったんだが。」
荒夜「つまり、直す代わりに自分が痛みを請け負う、と。」
は…?
なにそれ、じゃあこれって霞君の傷をもらったって事!?
「いた…、痛いっ」
いくらあたしが指でなぞっても、傷が消えることはなかった。
尚人「自分に能力は使えない、ということか。」
な、なんで…?
何でこんな思いしなきゃいけないの!?
痛い、痛い…っ
「たすけて、おかあ、さ…」
痛みによるものなのか、精神的なものなのか。
あたしは、気を失ってしまった。