首筋の月


「夢じゃない…の?」

「え?」

「あ…いや、なんでもない。

先生、ごめんなさい。
怒ってる?」

「やだ、怒らないわよ。
先生も昔はヤンチャしたもの。

大きめの絆創膏、そのへんの引き出しにあるからつけて行きなさい。」

先生のいうヤンチャってなんだろ…

ちょっとビビりながら、あたしは引き出しから絆創膏を取り出してくっつけた。

席について朝食を食べながら必死に思考回路を回す。

この傷があるってことは、昨日起こったことは全て現実?
あんなSFみたいなのが?

あたしの身体で、なにが起こってるの…?

和真「志紀ねぇおはよ。」

「………」

和真「志紀ねぇ?」

「…っあ、和真…」

和真「?なんだよその顔。
ったく、朝っぱらからシケた面しやがって。」

「ご、ごめん…」

和真「…なんだ、ホントにどうかしちまったのか?

いつもは『もともとこういう顔ですー』とかなんとか言ってうるさいクセに。

熱でもあんのかよ。」

< 46 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop