首筋の月
「夢じゃない…の?」
「え?」
「あ…いや、なんでもない。
先生、ごめんなさい。
怒ってる?」
「やだ、怒らないわよ。
先生も昔はヤンチャしたもの。
大きめの絆創膏、そのへんの引き出しにあるからつけて行きなさい。」
先生のいうヤンチャってなんだろ…
ちょっとビビりながら、あたしは引き出しから絆創膏を取り出してくっつけた。
席について朝食を食べながら必死に思考回路を回す。
この傷があるってことは、昨日起こったことは全て現実?
あんなSFみたいなのが?
あたしの身体で、なにが起こってるの…?
和真「志紀ねぇおはよ。」
「………」
和真「志紀ねぇ?」
「…っあ、和真…」
和真「?なんだよその顔。
ったく、朝っぱらからシケた面しやがって。」
「ご、ごめん…」
和真「…なんだ、ホントにどうかしちまったのか?
いつもは『もともとこういう顔ですー』とかなんとか言ってうるさいクセに。
熱でもあんのかよ。」