首筋の月


「べ、別にいいでしょ…?
ほっといて!」

和真「ぁあー?
なに怒ってんだよ、志紀ねぇ。」

「御馳走様でした!」

あたしは食器を台所に出して、部屋に鞄を取りに行く。

和真「おい、志紀ねぇ!」

「なに!」

和真「これ、忘れてるけど。」

そう言って、弁当を掲げる和真。

「…はいはいドーモ!」

和真「…いってらっさーい。

フン、かわいくねーの。」


聞こえてるっつーの!!

悪かったね可愛くなくて!


生憎産まれたときからずっとかわいくないっつーの!

そりゃあもう、親に棄てられるくらい筋金入りなんだから!

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