首筋の月
「お、やってるねぇ。」
和真「うっせ。
早く行けよガッコー。」
「はいはーい。」
あたしは言われるままに、ひだまりの丘を出た。
「行ってきまーす。」
「志紀ねぇちゃん、帰ったらおままごとしよ!」
「ええ~っ?!
志紀ねぇちゃんはあたしと折り紙するの!」
「ちげーし!
俺らとサッカーやるんだし!」
「じゃあ帰ったらじゃんけんで決めよう!
ね?決まり!
それじゃいってきまーす!」
小学校低学年の子達は、毎朝こんな調子だ。
困ったフリをしているけど、可愛いし悪い気もしない。
だって、あたしを必要としてくれてるって分かるから。