ライラック【企画】
「麻央がずっとすきだった」
「…….っ」
「俺の…、初恋」
そう言って、頭に手を置いたら麻央の目からたくさん涙が溢れ出した。
「それ…あたしが先に言おうと思ったんだよ…?」
「ごめん。なんか今言わなきゃって直感で思っちゃって」
『うれしい…』って小さく呟いた小さな麻央は
首にかけていたカメラを横掛けにして
「…けいくん、お願いがあります…」
「ん?」
「…ぎゅーって……してもいい、ですか?」
とんでもないことを言い出すから、
俺は心臓がギューッて苦しくなって、どうしようもないくらい、もどかしくなった。