ライラック【企画】
首にかけていた一眼レフの画面を俺の方に向けて
麻央との距離が一気に近くなった。
…ほら、また麻央が俺の心をくすぐる…。
「えっと、十分すごいと思うけど…もう少し明るい方がいいかな…?」
「そうかも!光の露出上げてみるっ!他には?」
「他っ?! え、そうだな…じゃああと一個だけ」
「なあに?」
優しい声の麻央に
思わず気持ちを言いそうになった。
喉まできて、ぐっと堪えた。
まだ、
きっとまだ違う。
直感的に今じゃない気がしたから。
「もうちょっとアングル低く、とか…」
「けいくん、昔カメラやってたの?詳しい!」
不思議そうな顔で、
でも麻央の可愛い笑顔で
キラッキラだ…。