ひとつ
あなたは?
ー高校一年の春
真新しい制服に腕を通して
青チェックのリボンを結び
鏡を見る。
「よし、イケてる。」
私は、この春新木高校に入学する
どこにでもいる女子高生。
~♪
ポケットにいれてあった携帯が
振動する。
ーだれだろう。
スマホの画面には中学時代からの
男友達の積川雅樹の文字。
【今日は入学式だな。お前も高校生か。がんばれや。】
絵文字も顔文字もない素っ気ないメールだったが、そこには雅樹の優しさがあるように感じた。
【雅樹もね!彼女作れるように愛想よくしてるんだよ!(笑)】
そう雅樹にメールを打ち、家を出た。