オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
「今日も教科書忘れたから貸せよ」
ま、また……!?
この人どれだけ忘れるのっ?
「うん、いいけど」
隣の席、近くなっちゃっても大丈夫かな……。
チラッと机の距離を見る。
覚悟を決めて机をくっつけると、先生は教室に入って来た。
「では授業を始めます」
やっぱり近い。
すぐ隣に彼がいるのか分かって緊張する。
だけど……大神くんのお陰か
前ほど怖くはなくなった。
こうして50分の授業を耐えて
「じゃあ今日はここまで」
先生がそう言うと、私はほっと胸を撫で下ろした。