オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
「へぇ、そう」
大神くんは小さくつぶやいて
冷たい目で私を見る
その笑顔はとっても冷酷で
「じゃあ、触れてあげるよ」
そうやって言うと
私の首筋に手を伸ばした。
「あ……待って、ごめん大神くん
私が悪……ひゃあっ」
ぴたっと、大神くんの指先が私の首筋をなぞってく。
「もう、遅い」
慌てて言った言葉は簡単に返されると
その手はやがてアゴの方までやって来た。
「待って、やだ……」
ゾクっと体が反応する。
大神くんだから嫌悪感はないものの
やっぱり嫌だった。