オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
「う、うん……」
私がそう答えると、彼は私を見つめ
「ん?なんかお前顔色悪くねぇか?」
私の頬に手を伸ばしてきた。
「嫌……っ!」
その瞬間、感じる嫌悪感。
差し出された手をとっさに振り払うと、彼と気まずい雰囲気が出来た。
「ごめん……」
治ってなんかいなかった。
あんなに近くで触れられても平気だったのは大神くんだったから。
それなのに、克服しただなんて簡単な事考えて
また人に失礼なことをしてしまう。
これじゃあせっかく私のためにしてくれたのに
彼も怒って帰っちゃうよ……っ。