オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


すると大神くんはイスから立ち上がって言う。


「別に、僕は劇に適切な人を選んだまでだよ」


「ウソ言わないで!!あんなのヒドイよ

私に出来るわけないって分かってるくせに」


ずっとレッスンしてきた。

少しは触れれるようになったって

それはやっぱり克服したわけじゃなくて、


ただでさえ、人前で何かをするのが苦手な私が

劇なんて出来るわけない。


それを大神くんは分かっているのに……


スタスタと歩いてこっちにくる。

私は体を強張らせて、警戒した。

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