オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


「ただ、勘違いはしないでほしいな」


え?


「僕はレッスンのためにキミのキスを奪ったんじゃない」


真剣に私の顔を見てくる大神くんに

心臓がドキドキと鳴る。


昨日のキスを思い出してしまいそうだった。


「じゃあ、なんで……?」


震える声で聞くと大神くんは言った。


「さぁね、あれは僕の判断ではないから」


どういう意味……?


「僕の本能がそうさせたんだよ」


本、脳。


それじゃ本当にオオカミくんだ。


「さあ、こんな事してるヒマはない

劇の練習をしなくちゃね」


「待って……!」

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