オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん



本当に王子様みたいだ。


しかし、差し出された手に触ることは出来ない。


この前男の子に触れた時、湿疹のようなものが出たから


「うん……っ大丈夫です、ありがとう」


そう言って自分で立ち上がろうとすると


「手、使いなよ」


大神くんは、さらに手を伸ばして来た。


なんか今、少しだけ声が低くなったような……


そんなことを思いながら

失礼になってはいけないと恐る恐る手を伸ばす


すると


グイっー


「きゃっ……」

「遅いよ。

僕が手を貸してるんだからさっさと立ちなよ」

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