オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
オオカミくんと劇の練習
次の日の放課後
「おっ……オオカミく、ん
なんでこんなとこ……ろに」
私はみんなの注目を浴びる中
台本の言葉を必死に読んでいた。
注目されているところで
言葉を紡ぐのがこんなに難しいんだって
改めて気が付いた。
しかも、男子の方が多いし……。
「赤ずきんちゃん、どうやら僕は
君に惚れてしまったようです」
スラスラと読んでいく、大神くんに対して
「そ、そそんな事言われても……っ」
私はたどたどしく言葉を紡ぐ。
周りからはクスクスと笑い声も聞こえてきて
さっそく泣きそうになった。