オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
「赤月さん、平気?
緊張してる?」
大神くんが私に近寄って来てそう聞いてくる。
「あ、うんちょっと……」
作った姿の大神くんとこんなに話すことになろうとは……
「心配だなあ、ちょっと台本
見せて貰ってもいい?」
「うん……っ」
その、大神くんに違和感を感じながらも
台本を渡すと彼は何やらペンを走らせた。
「はい」
「え?」
「ポイント書いておいたよ?
そっちの方が緊張しないで済むかなあと思ってさ」
大神くんの整った笑顔にお礼を言って受け取ると、台本には