オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん



大神くんは無理やり私の手をとって立たせた。


おっ、大神くんっ!?!

クラスの時とキャラが違うような……?


すっと頬に伸びてくる手に私は力強く目をつぶって


「やだ……っ」


そうやって大神くんに訴えると

彼は手を離して言った。


「ふっ、どうやらウワサは本当みたいだね」


ウワサ……?


「キミは男が苦手だってことだよ。

今もプルプル震えてるし

さっきも、自己紹介出来なくなるくらい緊張してたし?

僕が顔でも近づけたら倒れちゃうんじゃないの?

実験してみようか」

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