オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


「ありがとう!石渡くん!」


石渡くんの言葉で私は少し緊張が飛んだ。


そう、あんなにたくさん練習したから

きっと大丈夫。


ブーーー!

「行ってくる!!」


『昔むかし、ある所に

赤ずきんちゃんがいました』


ナレーターの声とともに私は舞台に出て行く。


「わ、私は赤ずきん

この……っ小さな森の中で暮らしています」


その瞬間、パッとライトが当てられて

客席が見える。


ひ、人がいっぱい……っ!!!

こんなにいたの!?


ど、どうしよう。

客席にはたくさん男の人もいるし……


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