オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


ぶわっと高まった感情は涙になってやってくる。


「大神く……」


「なんで泣くの?

それ僕に抱きしめてほしいって言ってるの?」


「ちが……」


ぎゅーー

その瞬間、大神くんの温もりに包まれた。


「周りに囲まれても平気だった?」


「うん」


「男子と話せた?」


「うん」


「じゃあ今僕が抱きしめてるのは

大丈夫?」


「大丈夫だよ……」


だけど、心臓は早くに動く。


ドキ、ドキっていつものリズムより早く動くんだ。


「大神くん、」


「ん?」

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