オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
私は、突然階段を踏み外してしまい
「きゃっ」
「ぶねぇ!」
石渡くんの方に勢いよく倒れ込んだ。
「んっ……!?!」
その反動で口にぶつかる柔らかいもの。
それは、石渡くんの唇だった。
「ご、ごめ……っ、」
慌てて離れて口を抑える。
最悪の事故だ。
「悪りぃ、大丈夫……」
「見ちゃったーーー!」
すると、突然石渡くんの声を遮った大きな声に驚いて見ると
そこにはクラスの女の子がいた。
「2人って、付き合ってたんだね」
楽しそうに笑って歩き出す女の子。
「ま、待って……!違うの」