オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
慌ててその子を追いかけて弁解しようとしたら、
もう教室についていた。
その瞬間、嫌な予感が駆け巡る。
最悪のことがあると、それは重なるとはよく言うもんだ。
大神くんが……いる。
「あ、ねぇねぇ大神くん
聞いてよー!」
嫌だ、嫌だ、言わないで。
「あの2人、さっき階段でキスしてたんだよー!」
ひやりとして、体の血が引いて行く。
ガタンー!
びくっ、
大きな音がして、恐る恐る大神くんを見たら
そこには座っていたはずの彼が立ち上がっていてる姿があった。
そして、こっちに向かってくる。
その表情は隠れていて全く分からなかった。