オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


グイー

何も言わず、私の手を取る大神くん。

その強引さに彼が怒っているのが分かった。


「待って、大神くんこれは違うの」


彼に必死に訴えても、大神くんは私の手を引くのをやめない。


遠くで石渡くんの声がする。


「ねぇ、大神くん聞いて!!」


無理やり引っ張られて連れてこられたのは

多目的室の中だった。


ガラガラ


荒々しく開けて、私を中に押し込む。


「きゃ……っ」

よろけた私に目もくれず、大神くんは教室のカギを閉めると

鋭く私を睨んだ。


「ふっ、」

< 257 / 317 >

この作品をシェア

pagetop