オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


パッーー

彼は急に私の手を離した。

解放された手はだらんと下に落ちる。

すると、大神くんは突然言った。


「もういい、飽きた

これからキミはレッスンに来なくていい」

え……?


「克服も出来たみたいだし、僕も飽きた

お互いちょうどいいよ、

今日でキミとの関係を終わりにする

バイバイ赤ずきんちゃん」


何言ってるの!?


「待って大神くん……!」


背を向けて、教室を出ようとする大神くんの袖をとっさに掴むすると


「僕に触るな」


そう言って私は振り払われた。

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