オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
「僕が赤ずきんちゃんを好き?
変な推測はやめてもらえます?
僕は彼女を好きだなんて思ったことは一度もない」
イライラするのは、赤ずきんちゃんの考えが甘いから。
あんな男をキスをしたから。
ただそれだけだ。
「お前さ、あれ見てもそう言えんの」
そう言って俺の腕を引っ張ると俺は来た道を戻された。
目の前には多目的室のドアがある。
「耳傾けてみろよ」
なんだよ、今更。
耳を傾ければ、聞こえてくるのは赤ずきんちゃんの泣き声だった。
「えっ、く……大神くん……っ」