オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
ほら、見ろ。
事故でキスしたのかなんだか知らないが浮かれてるからこうなるんだ。
「キスー!キスー!」
その声はだんだんと大きくなって広まっていく。
「ちっ」
その言葉を聞くだけでムカつくのに
大きな声で繰り返すなよ。
ガタンー!!
僕は勢いよく立ちあがりみんなに言った。
「うるさいんだけど」
その瞬間、周りは凍りつく。
そりゃそうだ。
だって僕は誰にでも優しい大神くんなんだから。
シーンとなってしまった教室で
「授業中だし、先生困ってるから」
付け足したように言うとまわりはほっと安堵のため息をこぼした。