オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
意外と優しい所もあるんだなってことだったり
楽しそうに笑うことだったり
もっと笑ってほしいとか
もっと大神くんと一緒にいたいとか
そういう……
「気付いた?」
目に涙をためながら必死で頷く。
そういう感情全部、特別な人にしか現れないんだ。
「ちーちゃん、私伝えてくる
追い返されちゃうかもしれないけど
それでも大神くんに伝えたい……」
「うん、行ってきな」
その時、
「赤月」
石渡くんが私を呼んだ。
昼休みに放課後話せないかと言われていたから
大神くんに言うのはこの後だ。