オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
私たちは2人で屋上まで来た。
正直、少し気まずい。
キスしてしまったこと、昨日大神くんに連れて行かれたこと
石渡くんはどこまで知ってるか分からないから。
「赤月……昨日は本当にごめんな
朝も嫌な思いさせた」
ううん。あれは、私が足を滑らせたのが悪かった。
「私のせいだから……本当にごめん」
そうやって謝ると石渡君は顔を逸らして
小さな声で言った。
「俺は別に、いいんだ……
正直、嬉しかったと思ってる」
え、嬉しかった……?
疑問の目を向けると石渡くんは私の手を握る。