オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん

そこには息を切らしている大神くんがいた。


なんで、なんで大神くんがここにいるの?

彼は走ってきたのか呼吸が乱れている。

いつもはポーカフェイスを崩さないのに

今は、石渡くんを鋭くにらんでいる。



「君に赤ずきんちゃんは渡さない。」


ドキンー

大神くん!?

何、言ってるの……?


声が出ない私の代わりに石渡くんが言う。


「意味分かんねぇよ、なんで大神が決めんだよ!

つか、最近お前変だぞ?昨日だって、」


「赤ずきんちゃんは、僕のものだから

僕に決定権があるのは当然だ」
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