オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
石渡くんの言葉をさえぎって言う大神くんは
いつもクラスで見せる彼ではなかった。
「赤月の気持ちをお前が決めるのはおかしいだろ
俺はな、お前と違って真剣に赤月のこと、好きなんだ
だから邪魔すん……」
ダンー!!!
「いつ僕が真剣じゃないと言った?」
鋭く射抜かれるような目に私は呼吸が止まった。
「そんな事、一言も言ってない。」
きっと石渡くんもそう。
だって彼も動作が止まったから。
「僕だって真剣なんだよ
バカにすんな
じゃなきゃ、
こんなめんどくさい所まで追いかけてきたりしない」