オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
「…………っ」
感情がこみ上げる。
だって、本当はもう大神くんがここに来てくれただけで
嬉しくて泣きそうだったんだ。
すると大神くんは今度は私の方をみた。
それにビクリと体を反応させたら彼はしゃがみ込んで言った。
「赤月さん、僕と付き合って下さい」
見開く目。
こぼれる涙。
息をするのも忘れてしまいそうなくらい
ぼーっと彼を見た。
大神くんが……大神くんが
私より目線を下に、しゃがみこんで
しっかりと名前を呼んでくれた。
それで、それで……
付き合ってほしい、だなんて。