オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


「わがままな、赤ずきんちゃん」


な……っ!!


だって言ってくれない大神くんが悪いんだもん。

ぱっ、っと反射的に顔をあげ、大神くんに文句を言おうとしたら



「好きだよ。」

彼は私の耳元でそう言って


「んん……っ」

甘い、甘いキスを落とした。


言おうとした文句は大神くんのキスによって消えて

その代わりに


「私も……大すき」


今思っている気持ちを全力で伝えた。



オオカミくんは私を包む。


その光景はまるで、食べているかのよう。

だけど私は、彼に身を預けて

幸せに浸っていました。



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