オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


おんぶして私を運んでくれて

私が起きるまでここにいてくれたらしい。


そりゃあ、本心を知らなければ

王子様だなんて思って

なんていい人なんだって思ってたかもしれないけど


昨日あんな事があったばかり。


私は大神くんに警戒を強めた。


すると、

ギシー

大神くんはベットに片手を付いて私にグッと近付いてきた。


「嫌だ……っ、来ないで!」


くすりと笑う大神くんを睨みつける。


顔を思いっきり背けて彼と距離を取ったら

彼は楽しそうな顔をして言った。


「警戒されると、逆に近付きたくなるんだよね」

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