オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
「君はこれから僕のオヤツになるんだよ」
「え、ちょっと待っ……」
ゆっくりとこっちに近付いてくる大神くんに後ずさりする。
だけれど背中をドアにピッタリ付けてた私は当然
これ以上距離を縮める事は出来ない。
「立場が分かってないようだから教えてあげるよ
僕と君は対等じゃない」
ぎゅっ、とつぶった目を開ければ
ドキンー
すぐ目の前に大神くんがいた。
「ち、近いよ……おおがみくん」
近づかれるのが苦手なことを知ってるくせに
わざと近くに来て私を怖がらせる。
今は、大神くんの手を伸ばした分しか距離がない。