オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


「僕は食べる側のオオカミくん

君は食べられる側の赤ずきん


どっちが優勢か分かるよね?」


大神くんの両手の中に閉じ込められて

じっと見られていると

ふっ、と体の力が抜けていくのが分かる。


何、これ……

すると


「っわ……!」

私は自分の体を支えきれなくなって

へなへなと床にしゃがみ込んでしまった。


ど、どうしよう……。

腰ぬけた……!?


力を入れて立とうとするけど足には全然力が入らなくて

微動だにしない。


それを見た大神くんはもの珍しそうに言った。
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