オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん



心の中では抵抗してるけど

動けなくなった私の体は微動だにしなくて


「さっきは僕の腕を伸ばした距離だった」

大神くんの声にとっさに目をつぶると



「さぁ、どうだろう?

もうちょっといけるかな」


楽しそうな声が聞こえてきた。


嫌だ、嫌だ

顔を見れなくて思いっきり顔をうつむかせる。

すると


ぐいっー

「ダメ、顔上げて」


彼は私のアゴをぐっ、と持ち上げて視線を合わせた。


さ、触られた……。

その瞬間、顔がかっと赤くなる。


「や、だ」

顔の温度が一気に上がって心拍数も上がってく。


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