オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
「はっ、はあ……」
やばい……。
呼吸が乱れて来たら大神くんはパッと私から離れた。
「なるほど、どうやら君は
目を合わせていなければ
割と近くまではいけるらしい」
え……?
呼吸を落ち着かせて少し離れた大神くんを見る。
「ただ、目を合わせると僕が手を伸ばした距離が限界になる」
呼吸を落ち着かせたはずなのに
心臓がドキドキうるさい。
怖いのに、嫌悪感は確かにあったはずなのに
心は温かく胸を打つ。