オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


なんでだろう……。


「ねぇ、平気?」


整った顔に見つめられて、手を差し伸ばされる。

その手を掴むことは出来ないけれど


「平気です……っ」

私は自分の手をぎゅっ、と握って答えた。


「ちょっと無理させたかな?

でも君の事知るためだし許してね」


そうやってニコっと笑う大神くんの笑顔はニセモノだった。


「立ち上がってごらん」


体に力を入れて立ってみる。


すると……


「あ、立てた」

「時間が立ったからね、力もちゃんと入るようになる」


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