オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
今日の出来事などを書いていると
「あ、」
隣の男子の名前を覚えていないことに気が付いた。
「あの……名前って……」
恐る恐る聞いてみると彼は
「ああ”?」
と不機嫌そうにふりかえった。
ひいっっ!!
ごめんなさいっ!!
彼は私を睨み付ける。
視線を思わず逸らしたら、彼は言った。
「石渡新太だ、覚えとけよ赤月里絵」
彼はそれだけ言うとすぐに
黒板を消すことに専念して。
私の名前、覚えててくれてたんだ。
少し、感動した。