オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん


「へへ……っ、だからすごく怖いんだ

抱き締められたり、近くにこられたりすると

すごく怖いんだ……」


私の言葉を静かに聞いていてくれた大神くん。

彼は最後まで聞き終えるとポツリと私に言った。


「今は?」

「え?」


「今、僕が抱きしめてるのは」


今は……全然怖くない。

むしろ


「安心するよ」

布から感じるあたたかい温もりは

強引にしてきた男子とは違う。

車に連れ込もうとした男とは違うって

伝わるから。


「そう」

たった一言だけいって、そのままでいてくれる大神くんは

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