スピカ
2人は、病院のカフェのような所に場所を移した
「最初に、私は城田 咲良(しろた さくら)と言います。特別病棟で真珠ちゃんの担当をしています。よろしくお願いします」
「真宮零です。よろしくお願いします」
城田さんはまた微笑んだ
「真珠ちゃんね、あなたと出会ってからすごく楽しそうで私も嬉しくて。あの子のあんなに生き生きとした姿、久しぶりにみたわ。」
「えっ?!」
「あんなに明るいのはあなたに出会ったここ数日よ」
零は混乱していた。真珠はもともと明るい活発な子だと思っていた。
「それで、あなたも気になっているんじゃない?真珠ちゃんの病気のこと」
確かに零は真珠が特別病棟にいる訳も、入院している理由すら知らない。だから気にならない訳は無かった。
「気になります。でも真珠が言いたくなかったなら僕は聞きません。第一、僕は振られてますしね…」
「言えなかったとしたら?」
「えっ」
「真珠ちゃんがあなたに言わないのでは無くて、言えなかったのだとしたら何か変わるのかしら」
「…っ」
「私は真珠ちゃんの辛い思いを少しでもやわらげてあげたいの。でもそれにはあなたの力がいるわ。お願いします。私に力を貸して。」
「…病名を教えてください。僕は真珠の為にできる最善のことをしたいです。」
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