声
ゆっくり振り返り
やっと目が合う。
『何が聞こえるの?』
心汰の腕から
バスケットボールが
落ちて転がる。
「蘭汰が」
『ん?』
「蘭汰が僕を責めるんだ。」
『え?』
そんなはずないじゃない。
蘭汰は心汰が大好きだった。
責めるわけないじゃない。
『心汰?そんなわけないよ。蘭汰は心汰のこと‥』
「僕が蘭汰を殺したんだ!」
心汰の言葉に
反応することが出来なかった。
引き留めることもできずに
心汰は耳を塞いだまま
その場を走り去った。
残ったのは
地面に転がるバスケットボールだけ。