『心汰。家に帰ろう?体壊しちゃうよ。』




耳を塞ぐ手に力がこもる。


「蘭汰が‥羨ましかったんだ…」



『心汰?』


「一生懸命バスケットの練習したのに。試合を絶対見に来るって行ったのに‥。



お母さんは来なかったんだ。」







心汰のバスケットの試合の前日に



蘭汰は突然熱を出した。


律子おばちゃんは心汰のとこにきて

『明日、バスケットの試合行けなくなっちゃったから。ごめんね?
陽菜ちゃんの家に帰ってね?
お母さん。病院に行くから。』







と言った。

心汰は寂しかったんだ。







「だから僕。
蘭汰の病院に行ったんだ。

それで蘭汰に…言っちゃったんだよ。」






心汰の体が震える











私は次に続く言葉を聞いて

思わず涙が出た。




心汰。
苦しかったよね?
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