律子おばちゃんは

目から涙をポロポロこぼした。



心汰はこぼれそうな涙をこらえているようだ。





「そしたらあいつ…
本当にいなくなっちゃった!」







やっとこぼれた心汰の涙。

律子おばちゃんの白く細い指が
そっとぬぐう。



『心汰ごめんね。
寂しい思いをさせて。
お母さんにとっては
二人とも大切なのよ?
二人とも。』



そう言って
心汰をギュッと抱き締めた。





『もう苦しまなくていいのよ?
愛してるよ。』










< 28 / 32 >

この作品をシェア

pagetop