声
律子おばちゃんは
目から涙をポロポロこぼした。
心汰はこぼれそうな涙をこらえているようだ。
「そしたらあいつ…
本当にいなくなっちゃった!」
やっとこぼれた心汰の涙。
律子おばちゃんの白く細い指が
そっとぬぐう。
『心汰ごめんね。
寂しい思いをさせて。
お母さんにとっては
二人とも大切なのよ?
二人とも。』
そう言って
心汰をギュッと抱き締めた。
『もう苦しまなくていいのよ?
愛してるよ。』
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