生意気なキス
同棲を解消してから、三日後。
アパートの契約もあるから、すぐには出ていけないけれど、新しい部屋を探し始めることにした。


仕事が休みの今日、いくつか不動産で話を聞いて、資料をもらった後。


スーパーで食材の買い物をしてから、アパートまでのいつものアーケード街を歩く。

もうすぐクリスマスだから、街はすっかりクリスマス仕様だ。

今は昼だからそんなに目立たないけれど、夜になればキラキラ光って綺麗なんだろうな。


なんとなく、それぞれに飾り付けのしてあるショップを見ながら歩いていると、聞き覚えのある声が聞こえた。



「ねぇねぇ、みき、クリスマスプレゼントはこれがほしいなぁ」


「分かった分かった、クリスマスにな」



ウインドウ越しに、とあるブランドショップのカバンを指差しながら、語尾にハートマークでも付きそうな話し方で、甘えたように男の人に腕を絡ませる女の子。

それにデレデレしながら答えるのは......、私の元彼氏。


何よ、もう新しい彼女がいたんじゃない。
どう見ても、ただの友達には見えない。


友達のとこに泊めてもらうんじゃなくて、彼女のところに行ったってわけ?

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