星の夜
「どーしてそんなこと聞くの?」
もう分かんなくなって勝手に出てきた言葉…
上畑くんは黙ったままで…
「かみ…「つばさ、翼って呼べよ。」
私の言葉を遮ってそう言われた。
「え、ちょっ…上畑くん?」
「だーかーら、翼!わかんない?」
なんか上畑くんがすごくいつもより
カッコ良く見える。
見とれていると…。
「おい!聞いてんの?」
「あぃ!!?」
驚いて変な返事をしてしまった私…
恥ずかしいです。
「何その返事。可愛いんだけど。」
笑いながらそう言う上畑くん。
可愛いなんて言わないでよ....思ってないくせに
「ねぇ、言ってよ。翼って....」
すごく真っ直ぐな視線。
「つ、翼...?」
疑問系になっちゃったけどいいや。
「ありがと。優美。」
にっこり笑って私の名前を呼んでくれた。
外は寒く、 風は冷たいのに私には
涼しく感じた。