今日もまた、君を探す。
放課後、僕は教室で美優を待っていた。
窓から雨ををボーッと見ていた。
ドーッという音が延々と聞こえ続けた。

「おまたせ、大和。」

美優が来た。
その隣には


ニノがいた。


「…え?」
なんでニノがいるんだ?
僕の親友だからか?
訳がわからなかった。

「紹介するわね。私の『新しい』彼氏の、二宮快斗くん。」

ウソだ。嘘だ。うそだ。

「嘘だよな?ニノ?」
僕は必死にニノに問いかけた。
僕は、期待していた。
ニノがいつもの笑顔で、「冗談やで!」と言ってくれるのを。
言ってくれると、思っていた。

ニノが口を開いた。
「…すまん。」

ただ、一言、そう言って、ニノと美優は教室を出て行ってしまった。

誰もいなくなり、シーンとした教室の中で僕は、泣いた。
昨日の美雨のように、泣いた。
涙が出てこなくなっても、必死で、声にならない声で、こう言いながら、泣いた。

『行かないで』
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