今日もまた、君を探す。
ああ、眠い。
黒板にチョークで何かを書く音が聞こえる。
ぼんやりと、外を見ていた。
今日の夜こそは、君を見つけられるかな。
「転校生を紹介します。」
担任が話すと、クラスが一気に盛り上がりざわざわし始めた。
僕は窓際の一番後ろだから、影が薄いのも合わさり、盛り上がっていなくても、話していなくても、誰も不審がらなかった。
「入って。」
という担任の声で入ってきたのは

…美雨?

美雨?美雨だ。
真夜中のように黒い髪
月のように白く美しい肌
長い睫毛
綺麗な唇
美雨でしかないような顔立ちだった。
僕は思わず立ち上がった。
みんなが一斉にこっちに注目する。
「…すみません。」
と謝り、僕は席についた。
みんな不思議に思ってるようで、僕の方をチラチラ見たり、ヒソヒソと何か話していた。
「静かに!」
担任が一喝すると、教室はシーンとした。
「自己紹介をどうぞ。」
と担任が言うと、彼女は話した。

「宇佐美 美優です。
よろしくおねがいします。」

一拍おいて、拍手が教室に鳴り響いた。

美雨じゃないのか…。
それにしてもよく似ている。
ぼんやりと考えていると、
「宇佐美さんの席はあそこね。
大石くん、色々教えてあげてねー!」
担任が指をさしたのは僕の隣の席。
…マジか。
彼女はスタスタとこっちへ歩いてきて、僕の隣に座った。
「宇佐美 美優。よろしくね。」
「あ、こちらこそ。
僕は大石 大和。よろしく。」
軽く自己紹介をすると、彼女はニコリと微笑んでうなづいた。
よく似ているなぁ…。
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