実らぬ恋〜『コンビニに行こう!』番外編〜

咄嗟に俯いた…。



純さんは無言のまま…焼酎を袋に入れている。



俺は無言でお金を出すしかなかった…。


二人に流れているのは沈黙なのに…



店内は有線から流れる軽快な曲が響く…。



お釣りを渡された俺は、やっぱり何も言えなくて…


ただ頭を下げた。




そこで純さんは、



『孝太はそれでいいのか?』

別に責めたように言われたわけではない…。



でもギクッとした。



そして、


『…俺はハルちゃんへの気持ち、誤魔化さないことにしたよ。』


って一言…。







えっ……?



顔を上げた俺はその時初めて純さんと目を合わせた。



純さんの目は、さっきの鋭い目ではなく…


真っ直ぐで…



強い…



決意が表れていた。






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