実らぬ恋〜『コンビニに行こう!』番外編〜
『マジで…こういうのやめろよ…。』
そう言った所で、曲のイントロが流れ始めた…。
ウザったくなった俺は曲を止めて、マイクを置いた。
『俺、守ってやりたいやつ見つけたから…もう付きまとうのやめてくんない?』
狭い密室に俺の声が響く。
『…付きまとうって…。孝太のこと…本気なんだよ…。』
明らかに落胆する女が一人呟く…。
『悪い…。言い方キツかったな…。でも…こういうことはもうやめてくれ…。』
『孝太、そんなの…今更狡い…。孝太がこういう付き合いが良いって言ってたんじゃない…。それを今になって…』
一粒の涙を流していた…。
たしかに今までの俺なら…この女の言う通り、軽い付き合いのほうが良かった…。
楽だったんだ…。
モテるということに…感覚が麻痺していたんだろう…。
ガキだったんだ…。