恋色ミルクティー



日は沈み、街は暗くなりかけていた。
遠くの公園に、ポツンと街灯の灯りが灯っている。
あの街灯の下に、彼はいるはず。
歩調が速くなる。
伝えたい想いが先走ってるみたいに。
私は、公園の入り口を通過した。
顔をあげると、正面の街灯の下に、彼はいた。
緊張が高まる。心臓を押し潰してるみたいだ。
少しずつ、距離を縮めていく。
距離が縮まるほどに、心臓の音は大きく速くなっていく。
川崎くんは、微笑んで待っててくれていた。
私はそっと、彼の前に小さな箱を差し出した。
「これ……!」
言葉がつまった。
好きですとか付き合ってくださいとか、用意していた言葉は喉の奥で溶けて消えてしまった。
彼が私の手の中の箱を受けとる。

数秒後、私は彼の腕の中にいた。
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