幼なじみはイケメン4人組
残された私と晃太くんは、ただただ その後ろ姿を見送った。
マーくんがクラスメートにチラシを配ると、すぐさま歓声が上がる。
目立ちたがり屋の男子が『俺 出るー』と手を挙げたり、女子が『絶対似合うよっ』とカッコイイ男子を推薦したり、みんな楽しそう。
歩夢が『俺らも出るんだー』とマーくんの肩に手を回すと、教室内には黄色い悲鳴がこだまする。
……不機嫌そうなマーくんは無言で歩夢の手を払っていたけどね。
みんながみんな、本当に楽しそう。
その光景に晃太くんは小さな笑みを浮かべた。
「歩夢は、みんなに好かれてるんだね」
「……うん」
「すっごく馬鹿だけど、すっごくいい奴だもんね」
「……うん」
「ミサは、歩夢と付き合わないの?」
……晃太くんが、また真っ直ぐに聞いてきた。
マーくんに『明日答えを出す』『見守ってて』と言われたばかりなのに、それでも真っ直ぐに私を見ている。
……やっぱり晃太くんには、全部わかってるんだ。
私は、歩夢とは付き合わない。
付き合えない。